子供の様子がおかしいのでどうしたのか聞いてみると、「○○ちゃんに貸した鉛筆を返してくれていない」との返答でした。

あなたが親ならどうしますか?

そのおうちに電話して返してもらえるようにお母さんにお話ししますか?

そうするのが最短で確実な方法のようですが、お子さんに自分で解決する方法を教えてみてはいかがでしょう?

具体的には、お子さんがその○○ちゃんに「貸した鉛筆を返して」と言うだけです。

それでも、その「言うだけ」が難しいだろうと考えますか?

確かに、お子さんもお母さん経由で言いにくいことを言ってもらえれば、お任せで簡単ですよね。

でもそれでは自分で解決する力を養っていけません。

また、子供には大人にはわからない子供の世界があります。

なんでも親が解決に出てくるのでは対等に遊べないと感じます。

自分自身で鉛筆を返してもらうにはどうしたらいいかを考えることができなくてはいけません。

また、その方法を思いつかない場合にはじめて、親が「こうしてみたら?」と解決策を提案してみるのです。

勇気を出して「返して」と言ってみれば、お友達は案外返すことを忘れていただけで、あっさり解決し、お友達との仲も元通りになることでしょう。

これが、お母さんを経由した場合はどうでしょう。

「お宅のお子さんがうちの子供の鉛筆を返してくれなくて」、こんな失礼な言い方をしなかったとしても、自分の子供が鉛筆を取ったと疑われているのではないか?

思い素直に謝ったり対処できない大人もいますし、なによりその子供自身にどういうふうに伝わるかわかりませんよね。

自分の子供を大切に思うあまり、誰かを悪者にして伝えてしまうかもしれません。

子供にしてみれば返すのを忘れていたから明日返そうと思っていたのかもしれませんし、安易に親が介入すると事を大きくしてしまうことがありますから、なるべく、子供の世界のトラブルは子供同士で解決できるよう、親は手助けするのみにしましょう。

また、子供から友達同士のトラブルの原因や経緯を聴く場合は何度か繰り返し聞いて物事を整理しましょう。

子供は無意識のうちに自分側の、自分にとって有利な表現をすることがあるからです。

相手側のお友達から同じ事件の話を聴くと言っていることが全く違っていることがあります。

自分の子供の言い分だけを聴いて解決しようとすると親同士も余計なトラブルになることが多々ありますので気をつけましょう。

いつまでも護衛のように親がついて守っていくわけにはいきません。

また、子供が成長するにつれ、子供の世界に親が介入することを子ども自身が嫌がるようになります。

それは親が入ることによって子供の世界が壊れてしまうことを恐れているからです。

子供たちの中であっても、大人同様に信頼関係を築くのは時間がかかります。

子供たちが大切にしてきた世界を壊す可能性がある原因を親が作るのは避けましょう。

そして問題があれば、なるべく子供自身で解決する能力を高めましょう。