忙しいときに限って「ねえねえ、あのね・・・」と子供が話しかけてくることがありませんか?

子供の話を聴いてあげなきゃと、夕飯の支度の途中や洗濯物をたたんでいる途中、手を休めてよくよく聴いてみると、子供の話はまとまらず、結局何が言いたかったの?ということがままあります。

聴いてほしいことがあるのに、どうして子供は自分の気持ちを上手く伝えることができないのでしょうか?

子供の頭の中には確かに「今日のこの場面の自分の気持ちを話したい」という思いがあります。

それを説明しようと思っても、上手く構成してその状況を見ていない人にもわかりやすく表現する方法を知りません。

子供だから、と言えばそれまでですが、大人との違いは経験値、文章を読む回数がまだ少ないことが原因のひとつです。

現に絵本を含め、本をよく読む、もしくは親が読み聞かせている家庭の子供は、早い時期から大人とある意味対等に話ができることが多いものです。

日頃からお話の「起承転結」を身近に学んで自然と身に着けていると思われます。

この方法が身についていないと、「今日のこの場面の自分の気持ちを話したい」と思っても、「えーとね、えーとね・・・」と順番も思いつくまま、羅列で話していくため、自分自身でも何を聴いてほしかったのかを忘れてしまいます。

余談ですが、忙しいときに限って話しかけてくるときの子供の心理としては、忙しくしている親を見て、無意識のうちに自分に関心を持ってほしいと思っています。

とっさに思い出した話ですから、別に緊急性がある話ではなく、「今どうしても話しておかないといけない話題ではない」のがほとんどです。

ただ、話の内容はそうとしても、構ってほしいという気持ちの表れではありますから、イライラする気持ちを抑えて、子供の話を聴いてあげましょう。なかなかできないですが。

本題に戻り、「なぜ子供は自分の気持ちを上手く伝えられないのか」はお話の中に「起承転結」が用いられないからと、もう一つは今の自分の気持ちが言葉で表すとどういう表現がピッタリなのか知らないということがあります。

これもまた、よく本を読むことで養われますが、日常の生活の中で実際に体験することで学ぶことができます。

欲しいおもちゃを買ってもらえなくて泣いているとき、いや泣いている最中は考えられないかもしれませんから、落ち着いてから「どういう気持ちだった?かなしかった?くやしかった?」といくつか感情の表現の選択肢を与えます。

友達が引っ越しでもうあえなくなってしまうとき、失くしたと思っていた大切なおもちゃが見つかった時、だっこしてもらえたときなど、そのときどんな気持ちだったかを訊くのです。

それで子供の気持ちが=になってだんだんと自分の気持ちが表現できるようになります。

なぜ、「この子は自分の気持ちを上手く伝えられないんだろう」と思うなら、原因は親である私たちにもあるということです。

絵本を読み聞かせ、子供が今どんな気持ちなのか寄り添っていくことで、子ども自身が気持ちを表現することを習得できるように手助けしていきましょう。